昔の思い出
家族連れで北岳へ
山行日:1986年7月31日~8月3日
地 域:南アルプス(北部)
標 高:北 岳(3193m)
【1日目】甲府駅=広河原→広河原山荘(泊) (付近を散策)
【2日目】広河原小屋→大樺沢二俣→白根御池小屋(泊)
【3日目】

白根御池小屋→草すべり→肩ノ小屋→北岳→北岳山荘(泊)
【4日目】北岳山荘→八本歯コル→大樺沢二俣→広河原=甲府駅

 前年の夏、家族連れで鳳凰三山に登り、その時に見た北岳の雄姿が忘れられずに、家族連れで北岳に登る計画を立てた。


 【 1日目 】

 飼い猫をペット・ショップに預け、昼前の「あずさ」で新宿を出発。甲府駅から登山客もまばらなバスに乗り広河原へ。 途中、先日の大雨で御勅使川に架かる橋が流され、バスに乗ったままで浅瀬を渡る体験をする。 夜神峠トンネル、野呂川林道を通り、無事、終点広河原に到着。
野呂川に架かる吊り橋を渡り広河原山荘に泊る。


 【 2日目 】

 快晴の朝、広河原山荘を出て大樺沢沿い樹林帯の道を歩く。白根御池の分岐を右に別れ、大樺沢の清流に沿い二俣を目指す。 途中、崩壊した所を二ヶ所程通過する。灌木帯を抜けると、雪渓が残る大樺沢二俣につく。
 休憩をとり八本歯コルを目指し雪渓脇の道を登り始めると、家内の具合が急に悪くなってしまった。
原因は雪渓の冷たい風に当ったことよるアレルギーと思われるので、急遽予定を変更し(八本歯コルから北岳山荘まで登る)、近くにある白根御池小屋に泊り、様子を見ることにする。
二俣か右手斜面の横道を行くと、白根御池と清水の流れる側に建つ白根御池小屋に着く。

大樺沢二俣から北岳を見上げる
大樺沢二俣 [拡大表示]
大樺沢二俣にて
大樺沢二俣にて [拡大表示]
大樺沢二俣にて

 【 3日目 】

 心配だった家内の具合も良さそうなで、朝飯を済ませ小屋を出る。小屋を出ると直ぐに草すべりの急登が始まる。
愛知の女子大ワンゲル部パーティに途中から追い抜かれたりして、草すべりの上部のお花畑(高山植物)の花々を探しながらジグザグ道をゆっくりと登る。 思っていたより早く小太郎尾根の分岐に達することができた。

 ここらは甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳などを眺めながら展望の良い稜線を行く、幾つのコブを越えるて肩ノ小屋にでる。
肩ノ小屋からは高山植物が咲く岩稜の登りとなり両俣小屋へ分岐を過ぎると北岳山頂もまじかである。

草すべり上部から北岳を仰ぎ見る
北岳を仰ぎ見る [拡大表示]
シナノキンバイ
イワツメグサ
草すべり上部
草すべり上部 [拡大表示]
小太郎尾根の分岐
稜線より仙丈ヶ岳
稜線より仙丈ヶ岳 [拡大表示]
稜線より甲斐駒ヶ岳
稜線より甲斐駒ヶ岳 [拡大表示]
稜線より鳳凰三山 地蔵岳
稜線より地蔵岳 [拡大表示]
稜線より北岳山頂を見上げる
肩の小屋手前 [拡大表示]
肩ノ小屋と迫りくる北岳山頂
肩の小屋 [拡大表示]
クロマメノキ
チシマギキョウ
コイワカガミ

 北岳山頂

 北 岳は日本第二の高峰だけあって、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰三山、間ノ岳など南アルプスの山々はむろんのこと、富士山、中央アルプス、北アルプスが望まれる。
山頂から少し下った所で昼飯にする。お湯を沸かし、うるめ干を炙り、おにぎりで昼飯とる。近くの登山者方からメロンの差し入れがあり美味しく頂く。羊羹をお返しにする。
頂上から下りかけたとき、突然、岩の上にいる2羽の雷鳥を発見。雷鳥といいメロンといいラッキーの連続である。 吊尾根分岐を別け、いつかの岩峰を通り、ハイマツの間を下って行き中白根との鞍部にある北岳山荘に着く。
休息していると、登山客で広ったスペースもだんだん狭くなり、最後には1畳ほどのスペースに家族3人が寝る(寝返りも出来ない)羽目になっしまった。

北岳山頂にて
北岳山頂にて [拡大表示]
北岳山頂から夏雲に浮かぶ富士山
夏雲に浮かぶ富士山 [拡大表示]
北岳山頂から間ノ岳・農鳥岳方面
間ノ岳・農鳥岳方面 [拡大表示]
北岳山頂の雷鳥
北岳山頂の雷鳥 [拡大表示]
北岳の下りから間ノ岳・農鳥岳方面
間ノ岳・農鳥岳方面 [拡大表示]
北岳の下りから北岳山荘
北岳の下りから北岳山荘 [拡大表示]

 【 4日目 】

 朝飯も取らづに夜明けと共に北岳山荘を出る。今日も快晴である。朝日に赤く染まる間ノ岳を振り返りながら、パンを齧り齧りシナノキンバイなど高山植物が咲く巻道を辿り吊尾根八本歯コルにでる。
八本歯コルから朝日に照らされる北岳バットレスを仰ぎ見ながら、大樺沢二俣へと急降下する。
二俣上部の雪渓は大分融けており、問題なく通過することが出来た。二俣で休憩をとり、大樺沢沿いの道を広河原へと戻る。

御来光 北岳山荘付近
御来光 [拡大表示]
八本歯コル手前から赤く染まる間ノ岳
赤く染まる間ノ岳 [拡大表示]
八本歯コル附近から八ヶ岳連峰を望む
八ヶ岳連峰を望む [拡大表示]
八本歯コル附近から間ノ岳を振り返る
間ノ岳を振り返る [拡大表示]
八本歯コルから北岳バットレスを見上げる
北岳バットレス [拡大表示]
北岳バットレスを登るクライマー
北岳バットレス [拡大表示]
八本歯コルから大樺沢二俣を覗く
大樺沢二俣を覗く [拡大表示]
大樺沢二俣から八本歯コルを見上げる
八本歯コルを見上げる [拡大表示]

 広河原からバスに乗り甲府駅に到着。バスを降りた途端、余りの暑さに驚き、駅ビルのパーラーでカキ氷を食べ一息つく。

思いもしなかったアクシデントがあったが、好天に恵まれ北岳登頂を果たし、忘れることが出来ない山旅であった。



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