山旅日記
槍 ヶ 岳
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山行日:2011年7月13日~16日
山 域:北アルプス(南部)
標 高:槍ヶ岳(3180m)
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【1日目】 7月13日 | |
松本市内散策(泊) |
【2日目】 7月14日 | |
松本駅=新島々駅= |
上高地08:30 | |
徳 沢10:00-10:30 | |
横 尾11:20-12:00 | |
一ノ俣12:50-13:00 | |
槍沢ロッジ(泊)13:45 | |
【3日目】 7月15日 | |
槍沢ロッジ | 05:55 |
天狗原分岐 | 08:00 |
グリーンバンド | 10:20-10:30 |
槍ヶ岳山荘 | 11:20-11:50 |
槍ヶ岳 | 12:20-12:55 |
槍ヶ岳山荘(泊) | 13:20 |
【4日目】 7月16日 | |
槍ヶ岳山荘 | 04:50 |
大 曲 | 07:20 |
槍沢ロッジ | 08:50-09:05 |
横 尾 | 10:30-11:20 |
上高地=新島々駅= | 14:10 |
松本駅
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槍沢上部より槍ヶ岳を仰ぎ見る
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【 1日目 】
例年より梅雨が早く明けた。梅雨明け1週間は天気が安定する、早々に山仕度に取り掛かる。3000mを越える山は、25年前に登った北岳以来である。
午後の「あずさ21号」で暑い東京を離れる。
松本駅近くのビジネスホテルにチェックイン、6時を過ぎても結構暑いが市内散策に出かける。
国宝松本城 を堀端から眺め、駅近くの飲み屋で馬刺しで生ビール、明日のことを考えて2杯で我慢、信州蕎麦を食ってから宿に帰る。
安宿のうるさいエアコンの音を聞きながら明日を夢みてご就寝。
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【 2日目 】
松本電鉄の新島々行きの始発に乗るため6時前に起きる。 松本駅のホームでおにぎりを食べていると、鹿児島から来た人から声を掛けられる。
その人は昨日まで表銀座を縦走(天気には恵まれなかったらし)して来たとの事、帰りの飛行機の都合で時間潰しに上高地の散策するとの事。徳沢まで山の話などをいろいろしながら一緒に歩くことになる。
河童橋 から梓川沿いの道を、左に明神岳の岩峰が見えるようになると明神、樹林の中を山の話をしながら何時しか徳沢に着く。
徳 沢 には2軒の山小屋と白樺に囲まれたキャンプ場があり、なかなかいい所である。木村屋のアンパンを食べ一休みする。
ここで、鹿児島の人と別れ、1時間ほどで横尾に着く。
丁度昼飯時、横尾山荘 で山菜そばを食べる。
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河童橋と奥穂高岳 |
河童橋上の我輩 [拡大表示] |
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梓川がら仰ぐ岳沢と奥穂高岳 |
梓川と岳沢 [拡大表示] |
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横 尾 は、横尾大橋を渡って涸沢穂高方面と槍ヶ岳との分岐点である。
横尾山荘の前の道を槍ヶ岳へと向かう。
沢沿いの道を一ノ俣、樹林の道を二ノ俣へ、つり橋を渡り、登って行くと樹林に囲まれた槍沢ロッジはすぐそこである。
槍沢ロッジ は小綺麗な山小屋で風呂もあり、登山客も多くないので今夜はゆっくり休めそうである。
小屋の近くからは槍の穂先が見える。
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横尾から前穂高岳を仰ぎ見る |
横尾から前穂高岳 [拡大表示] |
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槍見河原から槍の穂先 |
一ノ俣 [拡大表示] |
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【 3日目 】
朝から快晴、さあ~憧れの槍ヶ岳へ
小屋を出ると、オオシラビソの林の中を登る、やがて赤沢山のガレ場を横切りババ平(旧槍沢小屋があった所)と呼ばれる台地にでる。
ババ平から大曲までは、なだらかな登りが続く。U字谷の景観を眺めながら、水俣乗越の分岐を通り、左に曲り大曲に着く。
大曲り は、槍沢がドッグレッグのように左に大きく曲り、上部が開け、氷河により削られた岩屑が堆積したモレーンを仰ぎ見ることが出来る。
大曲から雪渓となり、アイゼンを持ってこなかことを後悔する。 危ない足取りで急な雪渓を歩く羽目になった。
ぬかるんだ夏道や雪渓を悪戦苦闘しながら、天狗原分岐 にたどり着く、左の道を分け行くと天狗原である。
★天狗原 は氷河公園と呼ばれ、高山植物が咲き、天狗池には映る逆さ槍ヶ岳を見ることが出来る天上の楽園。雪が多いため断念する。
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雪渓が残る槍沢の全景 |
雪渓が残る槍沢 [拡大表示] |
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槍沢の雪渓を行く登山者 |
槍沢の雪渓を行く [拡大表示] |
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雪渓を横切り天狗原へ |
天狗原への分岐 [拡大表示] |
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間近に迫る槍の穂先 |
間近に迫る槍の穂先 [拡大表示] |
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この辺りからハイマツと岩屑と残雪の入り混じるジグザグの急な道、あえぎあえぎ登る。ここが踏ん張り所でもある。
グリーンバンドを過ぎ、ようやく坊主岩小屋(槍沢上部)にたどり着く。
★坊主岩小屋 について、槍ヶ岳の歴史で、最初に登場するのは播隆上人である。播隆上人は、文政6年(1823年)、笠ヶ岳再興の際、笠ヶ岳から槍ヶ岳を見、開山を決意。
文政6年8月、飛騨新道から鍋冠山、蝶ヶ岳、二ノ俣谷を経て、槍沢上部の岩窟(坊主岩小屋)に寝泊りして槍の穂先をめざすが、登頂に失敗。
しかし、文政11年7月、再び坊主岩小屋に入り、7月20日、仏像三体を背負い、苦労の末、槍の穂先に立つことができた。
その後も、天保4、5年と連続して、この岩小屋を拠点として槍ヶ岳、笠ヶ岳への往復、前穂高岳にも仏像を安置するなどの記録が残されている。
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苦労して登っきた槍沢を見下ろす(赤い屋根は殺生ヒュッテ) |
槍沢を見下ろす [拡大表示] |
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ここからは、群青色の空に聳える槍の穂、右手に殺生ヒュッテ が見える。いよいよ、ここから槍ヶ岳の肩(山荘が建つ)までの最後の急登である。
ジグザグの急な登りを十歩いては休み、また十歩いては休んで、天狗原分岐辺りから「道ずれになった青年」に励まされながら、ようやく槍ヶ岳山荘 に到着することができた。
槍ヶ岳山荘 で宿泊の受付をすませ、早速、槍の穂に「道ずれの青年」と共に挑戦。
山荘から見上げる槍の穂は高く(120m位ある)聳えている。クサリ場や鉄バシゴの連続する岩壁を(下を見ると足がすくむ、震えながら)攀じ登ること30分で、ついに憧れの頂に立つ!!
『槍ヶ岳』(3180m) の山頂は、狭いながら小さな祠があり、梅雨明け空は晴れ渡り360度の北アルプスの大展望を満喫することができた。
南に、南岳から大キレットに続く穂高連峰、乗鞍岳、遠く木曽御嶽山。 西に、笠ヶ岳、双六岳。北は鷲羽岳、水晶岳、遠く薬師岳。 東は、常念岳、蝶ヶ岳。
こわごわ下を覗くと、先ほどあぎあえぎ登ってきた槍沢、赤い屋根の槍ヶ岳山荘が見える。
苦労して登った甲斐があり 大満足!!
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山荘付近より槍の穂先を見上げる |
山荘付近より槍の穂先 [拡大表示] |
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槍ヶ岳山頂より槍沢を覗く(赤い屋根はヒュッテ大槍) |
槍沢を覗く [拡大表示] |
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槍ヶ岳より中岳、南岳、大キレット、穂高岳につづく尾根 |
槍ヶ岳山頂より穂高岳方面 [拡大表示] |
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槍ヶ岳山頂より槍ヶ岳山荘を見下ろす |
槍ヶ岳山頂より槍ヶ岳山荘 [拡大表示] |
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槍ヶ岳山頂より笠ヶ岳 |
槍ヶ岳山頂より笠ヶ岳 [拡大表示] |
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槍ヶ岳山頂より手前左は西鎌尾根、双六岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳、遠く薬師岳(合成写真) |
三俣蓮華岳・鷲羽岳方面 [拡大表示] |
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槍ヶ岳山頂より常念岳(手前尾根は表銀座) |
槍ヶ岳山頂より常念岳 [拡大表示] |
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