山旅日記

那 須 連 山
山行日:2011年9月8日~9日
山 域:那須連山
標 高:茶臼岳(1898m) 朝日岳(1896m)
    三本槍岳(1917m)
 【1日目】9月8日
 那須塩原駅=黒磯駅=
 山麓駅=山頂駅10:10
 茶臼岳10:50-11:05
 峰ノ茶屋11:35-11:40
 牛ヶ首12:05-12:15
 沼原分岐13:15
 三斗小屋温泉(泊)14:25
 【2日目】9月9日
 三斗小屋温泉06:50
 隠居倉08:05-08:10
 熊見曽根分岐08:40-08:50
 三本槍岳09:45-10:20
 熊見曽根分岐11:15
 朝日岳11:40-12:00
 峰ノ茶屋12:35-12:40
 山麓駅13:25
 山麓駅=黒磯駅


熊見曽根分岐より茶臼岳を望む

 今年の暑さも一段落し、秋の気配が感じられきた今日この頃。ふと、思い立ったのが、一昨年は鹿島槍ヶ岳、昨年は槍ヶ岳と、槍の名が付く山に登ってきたので三本槍岳である。


【 1日目 】

 東北新幹線で那須塩原駅、東北本線に乗り替え黒磯駅、バスで那須ロープウェイ山麓駅に到着。 いつもであれば、観光客で賑わうているはずが閑散としている、福島原発の風評被害が影響しているようである。 ロープウェイのガイドさんの話しによると、今年の夏は、雨か曇りの日が多く今日は珍しく晴れたのだそうです。

 ロープウェイで山頂駅に降り立ち、火山礫の斜面を牛ヶ首の分岐まで登り、火山岩が散乱した中を登っていく。傾斜が緩くなると、やがて鳥居をくぐり茶臼岳頂上に着く。
10年以上前に大田原出張の折、急に時間が出来たので同僚の車でドライブ方々、茶臼岳に登り、大丸温泉に立寄湯したことがあった。

『茶臼岳』(1898m) は、大きな火山岩が散乱する山頂で、石の祠がある。展望は、南東方向には那須山麓開け、南月山、黒尾谷岳、北側は朝日岳、三本槍岳が見える。 山頂直下西側には噴煙を少し上がっている。
旧火口の周囲を回り、火口丘を回り込むよに下っていくと、避難小屋のある 峰ノ茶屋跡 に着く。

峰ノ茶屋で休憩後、茶臼岳の西側を巻くように平坦な道を牛ヶ首へと向かう。途中、先ほど頂上から見た噴煙の墳気口がある。
牛ヶ首 は、ロープウェイ山頂駅からの道、南月山への道、沼原への道、峰ノ茶屋への道の十字路である。
牛ヶ首からは、姥ヶ平を経由して三斗小屋温泉に向かう、沼原の分岐までは、平坦な道である。途中、姥ヶ平付近に「ひょうたん池」と言う池があり立ち寄ることにする。池までのは木道を行く、池に写る逆さ茶臼岳を見ることができた。
沼原の分岐からは、原生林の中を御沢まで下り、また登って峰ノ茶屋からくる道にぶつかり、三斗小屋温泉へ至る。

茶臼岳と牛ヶ首の分岐
牛ヶ首への道と南月山
茶臼岳の登り [拡大表示]
茶臼岳山頂の我輩
茶臼岳より峰ノ茶屋と朝日岳
茶臼岳からの噴気 [拡大表示]
牛ヶ首より茶臼岳
登山道からの噴気 [拡大表示]

 三斗小屋温泉には、煙草屋と大黒屋の2軒の旅館があり、今日は煙草屋に泊まる。

     温泉は乳白色で、熊や猿でも入っ来そうな露天風呂である。
     一人のんびりと露天風呂に浸かり疲れを癒す。(ああ、極楽極楽)

 三斗小屋温泉 は、鎌倉時代からの古い温泉である。「三斗」とは牛の背を借りても米を3斗しか運べない、あるいは板室から谷を3度渡らなくてはならない、などの説がある。
ふもとの三斗小屋宿は、江戸時代に会津 ⇔ 三斗小屋 ⇔ 板室 ⇔ 江戸を結んだ会津中街道の宿場として栄え、40軒ほどの宿や民家があった。
 あまり知られていないが、戊辰戦争の折、新政府軍により宿場の住民が多数、殺されるという悲惨な事件があり。その後、しだいに衰え、昭和32年を最後に人が住まなくなってしまった。

オヤマリンドウ(姥が原)
ツガザクラ(姥が原) [拡大表示]
ひょうたん池に映る「逆さ茶臼岳」
姥が原より茶臼岳 [拡大表示]
姥が原の散策道
姥が原 三斗小屋への分岐
左が大黒屋、右が煙草屋
三斗小屋温泉 [拡大表示]

【 2日目 】

 今日もまあまあの天気である。旅館の裏手から隠居倉尾根の北側を登り、蒸気を噴出している噴気口(三斗小屋温泉の源泉?)を見て灌木の中を行く。 尾根に近づくにしたがい急な登りとなり、尾根に出てから少しで隠居倉に出る。

隠居倉 からは、これから歩く、三本槍、朝日岳や噴煙を上げる茶臼岳を望むことが出来る。 隠居倉からは尾根伝いに熊見曽根の分岐までだらだらな登りである。

「熊見曽根の分岐」は左に行くと三本槍、右に行くと朝日への分岐点である。熊見曽根の尾根を左に、ふたつほどピークを過ぎると、清水平へ下りとなる。
清水平は一寸した高層湿原である、夏の盛りを過ぎた為か湿原に咲く花は無かった。
清水平を横断し、ハイマツの斜面を登り中ノ大蔵尾根に出る。これを左に、少し下ってから一気に登る (そこが頂上かと思うとその先に頂上がといった感じで、結構キツイ) と三本槍岳につく。

三斗小屋温泉の源泉
オヤマリンドウ(隠居倉登り)
オヤマリンドウ [拡大表示]
隠居倉から三本槍岳方面
隠居倉から三本槍岳方面 [拡大表示]
隠居倉から朝日岳方面
隠居倉から朝日岳方面 [拡大表示]
熊見曽根分岐から那須岳
熊見曽根分岐から那須岳 [拡大表示]
熊見曽根分岐から三本槍岳(右手前 熊見曽根)
熊見曽根分岐から三本槍岳 [拡大表示]
熊見曽根分岐から清水平を俯瞰
熊見曽根分岐から清水平 [拡大表示]
清水平の木道

『三本槍岳』(1917m) は広い山頂に1等三角点があり、会津方面の山々が望める。西側の真下には会津中街道の大峠が見える。
ちょうど昼飯時、お湯を沸かし即席五目御飯と味噌汁で昼飯。

★三本槍岳 の名前の由来:『その北肩が下野・岩城・岩代の三国境になっていて、封建時代に黒羽藩・会津藩・白河藩の武士が所領を確かめるため、 五月五日の節句にそれぞれ槍を携えて登山し、山頂で三本の槍を立てた行事から来た名だそうである。
この三本槍岳も昔は火山活動をしていたことは、その断崖によっても察しられる。』 深田久弥『日本百名山』より抜粋

★大 峠:『福島県の下郷町と栃木県那須塩原市との境に位置する標高1460mに位置し、江戸時代会津藩の会津中街道(松川街道)として整備された。 登山道のような旧街道を約1時間歩くと峠になります。栃木県側からは三斗小屋温泉から歩いて約1時間。

三本槍岳山頂(後ろは栃木県と福島県の県境尾根)
三本槍岳山頂の我輩 [拡大表示]
三本槍岳より大峠を見下ろす(会津中街道)
三本槍岳より大峠 [拡大表示]
三本槍岳より旭岳(赤崩山)(甲子温泉方面)
三本槍岳より旭岳 [拡大表示]

大峠には戊辰戦争の時、会津藩が構築したざんごう跡が146m残っています。
戊辰戦争の時、会津兵は下郷へ退却し、ここでは戦いはありませんでしが、峠の両側にざんごうと砲台跡があり、良く残っている。』とのことです。 一度は歩いて見たい峠ですね!

昼飯の後、三本槍岳からは、いま来た道を清水平まで下り「熊見曽根の分岐」まで戻る。「熊見曽根の分岐」からは朝日岳はすぐそこである。

『朝日岳』(1896m) 山頂は火山岩に覆われた岩峰である。生憎、雲が多く展望に恵まれなかった。
朝日岳から下りは、クサリ場がある剣ガ峰と呼ばれる岩とザレ場を慎重に下り、峰ノ茶屋に出る。
峰ノ茶屋からは、茶臼岳の山腹を回り込むように下って行く。林道に出ると、ほどなくしてロープウェイ山麓駅である。

山麓駅からはバスで黒磯駅へ、東北本線、湘南ラインと乗り継いで新宿に帰り着く。

熊見曽根の分岐より朝日岳を見上げる
朝日岳を見上げる [拡大表示]
朝日岳山頂の我輩
朝日岳下り火山岩の道(剣ガ峰付近)
朝日岳下り火山岩の道 [拡大表示]
朝日岳下り剣が峰付近
朝日岳下り剣が峰付近 [拡大表示]
峰ノ茶屋


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